身体と心に負担をかけないためお墓選びのポイント
こんにちは。慶国寺の渡辺知応です。
これまで、
・無縁仏
・永代供養
・気持ちの安堵
について、お話をしてきました。
実はこれらに共通していることがあります。
それは「身体的負担をなくす」ことです。
これからお墓を選ぶのであれば、ちょっとでも身体的負担がなくなる場所にするべきです。
「身体的負担」というと、ご自身の身体のことを思い浮かべると思います。
しかしここには「精神的な部分」も含まれています。
例えば、インフルエンザで寝込んでしまった場合、高熱が出て、全身の節々が痛くなり、食欲もなく、一日中起き上がれない。
こんな状態の時は相当な身体的負担がかかっています。
同時に精神的にも弱っている自分がいます。
後悔しないお墓選びのチェックポイント
身体と心の相互作用は医学的にも証明されていることです。
どちらかに負担がかかれば同じようにもう片方にも重荷がかかってきます。
従って、無縁仏の問題や永代供養をお願いする際は、ちょっとでも身体的負担がなくなるお墓を選ぶことが何よりの解決策になります。
では、どんな場所が「身体的負担をなくす」お墓なのかというと、大きなポイントが3つあります。
1、立地
2、施設の設備や環境
3、使用規約の内容
それでは簡単に説明していきます。
「立地」について
お墓選びをする際、「そのお墓がどこにあるのか」をしっかりと考えてください。
最寄りの公共交通機関からの乗換え回数もそうですが、お墓の所在地に一番近い駅やバス停からの距離、道幅、上り坂の有無など、将来お参りに来てくれる方の交通手段を想定して選びましょう。
また、駅から徒歩でいける場所にあるところでも、駐車場がない場所も多いのでその辺りも知っておく必要があります。
「施設の設備や環境」について
お墓選びをする際はホームページやパンフレットの外観に惑わされてしまうことがあります。
「ホームページやパンフレット、色々な広告では施設の外観や景色がきれいなところだったのに、実際に行って見るとそうでもなかった。」
と、がっかりすることもあります。
画像の情報だけではわからない実際の様子を確認するには直接見学するのが一番です。
・施設全体はきれいに掃除されているか
・トイレや休憩所は完備されているか
・バリアフリー設計(エレベーター等)になっているか
・小さいお子様からお年寄りの方まで安心して納骨堂へお参りに行くことができるか
などを確認しましょう。
「使用規約の内容」について「立地」について
「使用規約の内容」と聞くと、何だか難しそうに聞こえますよね。
しかし、見過ごしてはいけない、とても大事な部分です。
その使用規約の中でもとくに大事なポイントが4つあります。
・宗教、宗旨、宗派は問わないのか?
・永代供養の条件はどうなっているのか?
・収蔵できるお骨はどれくらいまで可能なのか?
・経営主体は誰なのか?
では、ひとつづつご説明します。
「宗教、宗旨、宗派は問わないのか?」について
一見同じように思えますが、その意味は違います。
「宗教」が問われない規約であれば、どんな宗教でもOKということです。
仏教でも、神道でも、キリスト教でも、イスラム教でも、ヒンドゥー教でも、利用ができるということです。
もちろん、無宗教の方でも大丈夫です。
「宗旨や宗派」が問われない規約というのは、「仏教という一つの宗教の中で、その流派は問わない」という意味です。
日蓮宗であっても、真言宗、臨済宗、浄土宗など、どの宗派を信仰していても「仏教であれば」かまわないということです。
また、場所によっては、「在来仏教に限る」という条件が付く場合があります。
在来仏教とは、日本古来から根付いている宗派のことです。
一般的には、真言宗、浄土宗、浄土真宗、臨済宗、曹洞宗、日蓮宗、天台宗、黄檗宗、時宗、法曹宗、華厳宗、融通念仏宗、律宗の13宗派の事をいいます。
この宗派であれば、どなたでも利用することができるということです。
さらに「”過去”の宗教、宗旨、宗派は問わない」という規約もあります。
これは、以前の宗教、宗旨、宗派は何でもいいけど、これからは〇〇の宗教、宗旨、宗派に従ってください。という意味です。
檀家や門徒にならなければ利用できない場所もあります。
このパターンでよく聞くのが、「いつの間にか檀家にされていて、お寺の改修工事の際に高額な寄付を強制された」という話があります。
そもそも、「寄付を強制」するようなお寺はまともではありませんが、、、
そのような事例もあるので、「宗教、宗旨、宗派は問わないのか?」については、よく確認して、ご自身の意向に合う場所を見つけるべきです。
「永代供養の条件はどうなっているのか?」について
永代供養については、以前にもお話ししましたが、、、
要は、「そのお墓の全体を管理している側がどのような永代供養を行なっているのか」をしっかりと確認してください。
お骨の個別安置期間や故人の供養方法など、その場所によって色々なパターンがあります。
一概に何が良いとは言えませんが、、、
ポイントは、「あなたの意向をしっかりと汲んでくれようとしているか」という部分です。
売り手側の条件を無理に押し付けてくる場所は後々トラブルになります。
そのような場所はまずは避けるのがベストです。
「収蔵できるお骨はどれくらいまで可能なのか?」について
将来的に何名のお骨を収蔵したいのかをご家族や後継者と確認しておきましょう。
例えば、一人だけのものでよいのか、夫婦で同じ場所に遺骨を収蔵したいのかなどです。
お墓(とくに納骨堂)によっては、一人用、二人用、家族用があります。
家族用では、10名程度まで収蔵できるタイプもあります。
また、一般的に人数が増えるほど、費用がかかります。
場所によっては一人用が最初から設けられていないところもあります。
この辺りをよく確認しましょう。
「経営主体は誰なのか?」について
日本の法律では、墓地を管理運営できるのは、「公共団体、宗教法人、公益法人だけ」です。
公共団体というのは、都道府県、区市町村の行政や自治体が管理運営している墓地になります。
宗教法人というのは、都道府県の認可を得た宗教法人で、一般的にはお寺や神社です。
公益法人というのは、国や都道府県から認可を受けた永続性のある法人で、唯一の民営墓地になります。
つまり、墓地を管理運営できるのは、末永く運営することを前提に、事業の許可を得た団体のみとなります。
しかし、色々とお墓を調べていると大手の石材店や有名仏具店の名前がちらほら見えるかと思います。
これは民間の会社が宗教法人の名義を借りて管理運営しているからなのです。
合法といえば合法ですが、「永続性」という観点から見ると怪しい部分があります。
経営主体はお寺ですが、その実態は民間会社であるとすると、最悪の場合「経営破綻」が考えられます。
実際に運営がうまくいかずに破綻してしまった霊園や納骨堂があります。
数年前にも東京都内の大規模納骨堂が事実上の経営破綻となり、お墓お参りができない状態が数年続いていました。
お骨を預けたご家族は、今後どうなるのか問い合わせても満足いく回答がなく、不安な日々を過ごしたと言います。
最終的には別の宗教法人が入り、事なきを得たようですが、大部分の「使用規約の内容」が変更され、当初の内容とは全く異なる使用条件になってしまいました。
従って、経営主体が誰なのかは?は、とても重要な部分です。
さて、ここまで各ポイントをお教えしてきましたが、何よりも「実際に見学する」ことが一番です。
実際に見学をすることによって、見えてくるものがあります。
「お墓選び3つのポイント」まとめ
お墓選びは、亡くなった方への最後のご奉仕であり、生きている私たちにとっても重要な意味を持ちます。
この選択において、身体的および精神的な負担を軽減することは、非常に大切な考慮点です。
本記事では、お墓選びにおける負担を最小限に抑えるための主要なポイントを紹介しました。
負担軽減のためのお墓選び:主要な考慮点
お墓選びで最も重要なのは、身体的な負担はもちろん、精神的な負担も考慮に入れることです。
無縁仏問題や永代供養の選択は、この視点から非常に意義深い選択と言えるでしょう。
身体と心を守る:ストレスフリーなお墓選びの秘訣
お墓の立地、施設の設備や環境、使用規約の内容は、お墓選びにおける3つの大きなポイントです。
これらを慎重に選ぶことで、将来にわたって心身の負担を軽減できます。
お墓の立地選び:アクセスと利便性のバランス
立地に関しては、公共交通機関からのアクセスの良さや、駐車場の有無など、将来お墓を訪れる
設備と環境で選ぶ、安心のお墓
施設の設備や環境は、直接見学することでその実態を確認することが大切です。
バリアフリー設計や休憩所の有無など、細かな配慮がされているかもポイントとなります。
使用規約のチェックポイント:後悔しないお墓選びのために
使用規約には、宗教・宗旨・宗派の扱い、永代供養の条件、収蔵できるお骨の数、経営主体に関する内容など、後々のトラブルを避けるために重要な情報が含まれています。
これらを事前に確認することで、精神的な安心を得ることができます。
結論
お墓選びは、単に亡くなった方を偲ぶ場所を選ぶだけではなく、生きている私たち自身の心と体にも配慮を要する大切なプロセスです。
立地、設備・環境、使用規約の3つのポイントを念頭に置き、身体的・精神的負担を軽減する選択をすることが、亡くなった方への敬意と、残された私たち自身への配慮に繋がります。