慶松庵に出会った人のお話し

今回は実際に慶松庵を選ばれた方のエピソードをご紹介します。

山本さん(仮名)は先祖代々のお墓を「墓じまい」されて慶松庵を選ばれた、60代の女性の方です。

山本さんには後継者がおらず、先祖代々のお墓やご自身の納骨先を今後、どうしていこうかという悩みを抱えていました。

「今はまだ年齢的にお墓参りには行けます。ですが、これから先のことを考えると不安でした」

山本さんは、当時のことをそう振り返っています。

山本さんの先祖代々のお墓は、東京郊外の霊園にありました。

お墓参りにいく際は車を使い、1日のほとんどを用していました。

お盆やお彼岸の際など、渋滞にハマると帰宅する頃には身も心もクタクタです。

「あまりの渋滞にお墓参りに行くことに嫌気がさした時もありました」

そんな過去もあったようです。

しかし、「自分の両親をはじめ、ご先祖様がいるからこそ、今の自分がいるんだ。」

そう自分自身に言い聞かせて、年始、お盆、春秋のお彼岸のお参りは欠かしませんでした。

ですが、本当はもっとひんぱんにお墓参りに行きたいという気持ちがあったようです。

何度か墓じまいを考えたこともありました。

しかし、「先祖代々のお墓を自分の手で閉じるのは、仕方ないにせよ、今はまだ早いか、、、」そう思うと、なかなか踏み切れなかったようです。

お墓を他の場所に移動することも何度も検討しました。

しかし、費用面もさることながら、すでにあるお墓を受け入れてくれる場所が見つかりませんでした。

山本さんが納得のいく移動先が何ヶ所かはあったのですが、

・使用条件が合わない
・金額の折り合いがつかない
・抽選に当たらない

などなど、結果的に新たな移動先が見つからなかったのです。

また、今までお世話になっていたお寺のことを考えると、悩みの種は尽きません。

ある時は、東京都内の「自動搬送式の納骨堂」を何ヶ所か見学したそうです。

しかし、そこでの対応にはホトホト嫌気がさしたと言います。

あれはダメ、これもダメ、それもダメ、そのリクエストは受け付けられません。
No! No! No! No! No! の連続だったそうです。

しかし逆に、、、
「今契約すれば1万円分のギフトカードをプレゼントします」
とか、
「1週間以内に仮契約をしていただければ10万円値引きします」
と、契約をせかす営業トークのオンパレードだったようです。

「ここは本当に大切な人を供養する場所なのか?お寺もずいぶん変わってしまった、、、」

そう思ったと言っていました。

後日、その納骨堂をよく調べてみると、表向きはお寺(宗教法人)でしたが、、、
運営しているのは、大手の石材店や仏壇会社など、業界屈指の霊園事業者ということがわかりました。

営業トークのオンパレードについては納得がいきましたが、、、

「あそこは、心から供養をしたい人が求めるお墓ではない。納骨堂という名の遺骨用の貸し倉庫みたいでした」
と言っていました。

そんなさなか、インターネットで納骨堂を探しているときに慶松庵を見つけたそうです。

「同じ市内に室内型の納骨堂があるなんて知らなかった。
しかもここは自動搬送式ではなく固定棚式か。
お寺が主体で運営してそうだから檀家になるとかの条件がありそうだけど、ものは試しだ。
一応見学してみよう」

そんな軽い気持ちで山本さんは見学のご予約をされました。

当日は、まず慶松庵の内部や建立した経緯などを見学しながら説明しました。

その後、お寺の客間にて山本さんが抱えていた「今後の納骨先の不安」についてのお話を伺いました。

その際に、こんな会話になりました。

山本さん
「先祖代々のお墓を自分の手で閉じることに今一歩踏み出せないんです。」


「まだそのままでいいのではないですか?」

山本さん
「しかし、今後のことを考えると早いほうがいいかと思い、、、」


「そうですよね。山本さん、仏教には「諸行無常」という言葉があります。」

山本さん
「はぁ、祇園精舎の鐘の声……のですか?」


「そうです。鐘の音は一度たりとも同じ音色で鳴ることはありません。
 鐘を突く人の力加減であったり、気候であったり。
「諸行無常」とは、
「この世のあらゆること全て、生まれては滅し、移り変わっていく」
という自然の法則を鐘の音色に例えた話です。

山本さん
「つまり、自分の手でお墓を閉じるのも自然の流れだということですかね?」


「はい。そうです。
 それと、今までの考え方を変えてみるということでもあります。」

山本さん
「どういうことですか?」


「今までの「こうでなければいけない」という考え方が変わるのも自然の流れです。

 ・石のお墓でなければいけない
 ・先祖のお墓を自分の手で終わらせてはいけない
 ・掃除や供養を自分でやらなければいけない
 ・特定のお寺と付き合わなければいけない

 もちろん、できるのであればそれに越したことはありません。
 
 ですが、時代は移り変わります。
 出来ないことは、できる方と協力するという考え方に変えるということです。」

山本さん
「そうですね、、、、」

この日、山本さんは慶松庵を選ばずにお帰りになりました。

しかし、後日、再度お寺にお見えになり、ご慶松庵を選ぶ決断をされました。

その際に、
「あの時の言葉で決心がつきました。今のお墓を「墓じまい」してこちらにお世話になります。
今までは、全て自分で背負い込んでました。
後継者がいないのに「自分でどうにかしなければいけない」
と、もがいてました。
ですが、今後のことを冷静に考えれば無理ですよね。
固定観念にあった
「こうしなければいけない」を外して考えたら気持ちがとても楽になりました。

そのことに気づかせてくれた慶国寺さんであれば、今後のことを任せられると思いました。
どうぞよろしくお願いします」

といった、お申し出がありました。

人それぞれ、人生の背景は違います。その中には「こうしなければいけない」という固定観念が知らず知らずのうちに染み付いているものです。

しかし、それをちょっと外して考えてみると新たな道が見えてくるものです。

もし、自分一人で考えることが難しいようでしたら、ぜひ慶国寺にご相談ください。

何かしらのヒントが見えるかもしれません。

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