こんにちは。慶国寺の渡辺知応です。
現代ではさまざまなお墓があります。
つまり、色々な方法でお骨を供養する選択肢があります。
例えば、
・従来のような石でできたお墓
・大きなお墓に合同で入る合祀墓
・室内にお骨を安置する納骨堂
・木の元に埋葬する樹木葬
・海にお骨をまく海洋散骨
・山にお骨をまく山林散骨
・宇宙にお骨を打ち上げる宇宙葬
・手元に置いておく手元供養
・お骨から宝石を作るダイヤモンド葬
このように色々な方法で、今はなき故人のお骨を供養することができます。
しかし、どれも一長一短であり、どれを選択するかは、故人や家族の思いによって変わってきます。
ですが、先ほど例にあげた中でも「納骨堂」だけには「ある特徴」があります。
それは、
・室内に安置する
・お骨の現物がすぐ目の前にあり、雨風に打たれない
・いつでも取り出せる
・供養される環境にある
という部分が全て揃っています。
どういうことか簡単にご説明します。
「室内に安置する」について
納骨堂は基本的にお骨を室内に安置するために作られたお墓です。
お骨を安置する方法はその納骨堂によって異なりますが、ほとんどの納骨堂が室内に納骨されます。
したがって、雨や風が強い日でも快適にお参りすることができます。
冷暖房が完備されているので常に快適な参拝ができます。
また、お墓は建てる土地にもよりますが、お骨を収めるカロートという部分に水がたまることがあります。
納骨の時にお墓を開けると、溢れんばかりのお風呂のようになっている場合があります。
骨壺のフタがあいて、中まで水浸しになってしまいます。
参拝者の快適さはもちろんですが、今はなき故人の快適さや丁寧なご供養の面から見ると室内に安置した方が良いと言えます。
「お骨の現物がすぐ目の前にあり、雨風に打たれない」について
室内に安置しているので、キレイなまま状態でお骨が残っているのは想像がつきますよね。
お骨の現物が残っているということは、手を合わせる対象がまだそこにはあるということです。
これは「心のよりどころ」が残っていると同じことです。
現物が残らないといえば「散骨」がその例です。
散骨をされた方の中にはこんなことを言っている方がいました。
「父の遺言だから海に散骨しました。
ですが今は後悔しています。
お骨がもうどこにもいないと思うと寂しさがドッと溢れました。
まだ残っていたらよかったのに……」
お骨がまだあれば、悲しみが少し癒え、心の整理がついた後に色々な選択肢を選べます。
しかし、まいてしまった後ではそれはもう叶いません。
「いつでも取り出せる」について
納骨堂であればその後のお骨の行き先を変更することが簡単です。
従来のお墓のように、壊して、撤去して、更地に戻す、といったこともありません。
その際の手間や費用を考えても、撤去するものがほとんどないというメリットが納骨堂にはあります。
その後の状況により石のお墓を建てたり、散骨にしたり、分骨して手元で供養することも簡単にできます。
一時的にお骨を安置するという使い方ができるのも特徴です。
お骨が現物でキレイなまま室内にあって、いつでも簡単に取り出せるのは納骨堂だけです。
「供養される環境にある」について
今はなき故人に対して冥福を祈ることが「供養」のひとつです。
その方法として僧侶がお経を読みきかせることが必要とされています。
納骨堂にはその環境が整っています。
なぜなら、「納骨堂を運営できるのは、公共団体、宗教法人、公益法人だけ」であり、
その中でも、現在、日本の各地にある納骨堂の多くは宗教法人が運営しています。
お寺では毎日のご供養が日課になっています。
その中で納骨堂に眠る方々のご供養がされています。
このような環境の納骨堂はお寺しかありません。
以上のように、今後のお墓(納骨先)に悩まれているのであれば、納骨堂を選択することをおすすめします。