こんにちは。慶国寺の渡辺知応です。
無縁仏を防ぐポイントの1つに「永代供養」があります。
しかし、この「永代供養」という言葉に注意してください。
永代供養をお願いして、いざお骨を持って行ったら永代供養墓にいきなり合祀(ごうし)されそうになり、慌ててキャンセルした、なんて話はよくあることです。
合祀とは、骨壺からお骨を取り出し、他人のお骨と混ぜて埋葬することです。
永代供養とは、「故人の冥福を祈るために寺院が永久に供養してくれること」
ですが、インターネットで「永代供養」を調べてみると、、、
- 永久ではない
- 期間が設定されている
- 後継者がいない人のためのもの
- 遺骨を管理するシステム
- 永遠という意味ではない
上記のようなことを説明しているサイトを見かけます。
このような説明をしているサイトに書いてることは、半分は正解ですが、半分は間違っています。
なぜなら、本来の永代供養の意味がわかっていない人が書いていることが大半だからです。
では、どうして正解のようで、間違ったことが書かれているのかというと、、、
「永代供養として預かるお骨の納骨方法や個別の安置期間などが、その寺院ごとに違うから」なのです。
永代供養といえば、永代供養墓や合祀墓と呼ばれる、一つの大きなお墓に遺骨を一緒に入れることを思い浮かべる方が多いのですが、、、
今は、納骨堂、お墓、樹木葬、散骨、手元供養にも永代供養付きのものがあります。
これだけ多くの選択肢があり、それぞれに規約があります。
お墓によって違う永代供養
例えば、、、
- 個別で安置するのは〇〇年間で、その後は合祀します
- 〇〇年間はお盆のお経を個別で行うけど、その後は一括で行います
- 後継者がいない人はこのプランがおすすめです
- 最初の◯年は手元で、その後は合祀します
- 〇〇回忌を区切りに別の場所に移し、その後は、、、
などなど。
これらの説明をする際に、「永代供養」という言葉を使うと聞こえがよく、売り手側にとって都合がいい場合が多いのです。
この規約の一部を切り取って書かれたのがインターネットに出てくる「永代供養」の間違った部分の説明の元になっています。
また、仏教の教えからすると、「永遠」というものは存在しないので、「永遠や永久という意味ではない」と言っている方もいます。
確かにこの世に永遠や永久はありません。
ですが、、、
本来の永代供養は寺院の「過去帳」に記載し、現住職から次の住職へ引き継ぎされる大事な継承物です。
今の住職だけが永遠に供養するのは無理ですが、次の住職に託し、長い年月の供養をすることが「永代供養」なのです。
そんな永代供養ですが、お骨の扱いには3つのパターンがあります。
お骨の扱いは3つある
1、すぐに合祀するパターン
ご遺骨をお寺や霊園に持っていった際、納骨式で合祀墓へすぐに納めるパターンです。
すぐに合祀する場合は宗旨や宗派の制限が少なく、無宗教でもOKな場合が多いです。
また、一般のお墓よりも費用を格段に抑える事が出来きます。
しかし、合祀されてしまうと二度と取り出すことができません。
2、一定期間が経過してから合祀するパターン
ご遺骨を一定期間は個別に安置し、その後は合祀墓へ移し替えるパターンです。
大切な人を亡くし、ご遺骨をすぐに他の人と混ぜてしまうのは心情的に忍びない方が選ぶ場合が多いです。
多くの納骨堂で取り入れている形式でもあります。
納骨堂によっては安置期間の延長などの個別対応が可能な場所もあります。
最近では、石のお墓でもこのパターンを取り入れている場所もあります。
最終的には合祀墓に納めることになり、取り出すことは不可能です。
価格帯は一般なお墓とすぐに合祀墓に入るお墓の間くらいです。
しかし、このパターンが多い分、その場所によって色々なルールが設けられています。
3、全く合祀されないパターン
読んで字のごとく、ご遺骨を合祀しないパターンです。
従来のお墓の感じに近いのですが、お骨の管理等は寺院や霊園が半永久的に行ってくれます。
これはあまり見かけないパターンでもあります。
また、前提条件がある場合が多く、後継者が年間の管理費や護持費を払い続けなければいけなかったり、盆暮れ、両彼岸には供養が必要だったりします。
費用は高いです。
一名に付き、一般的なお墓と同じくらい、またはそれ以上の費用がかかります。
余談ですが、私の聞いた金額で一番高額だったのは1,500万円です。
普通ではちょっと考えられない額ですが、、、
この永代供養をお願いした人いわく、
「自分という存在をできる限り残しておきたい。未来永劫に渡り、代々お寺さんが供養してくれるのであれば、むしろ安いくらいだ」
と言っていたそうです。
おすすめの永代供養パターン
永代供養のお骨の扱いのパターンは大きく分けてこの3つですが、、
私がお勧めするのは「一定期間が経過してから合祀するパターン」です。
さらに、延長が可能で、始めから安置期間の相談に乗ってくる場所を選ぶべきです。
理由はいくつかあるのですが、一番大きな理由は、「合祀する際になってからでないと、そのときの気持ちや心情がわからない」からです。
今は〇〇年間で合祀してもいいと思っているかもしれません。
しかし、月日が進むにつれ、気持ちや心情に必ず変化が出てきます。
その時になって、合祀が嫌な場合もあります。
石のお墓に改めて納めたい場合もあります。
手元に置いておきたいかもしれません。
そのような気持ちを始めから汲み取ってくれる場所を選んでおくべきです。
「規約で決まっているからあなたの意向は通じません」という場所もあります。
確かに規約は規約です。
がしかし、「気持ちを込めた供養を行いたい」と思っているあなたの意思を赤の他人に決められる筋合いはありません。
永代供養を見つける際のポイント
- 一定期間が経過してから合祀するパターン
- 延長可能など、安置期間の個別相談に乗ってくれる場所
上記の2つを永代供養のポイントとして覚えておいてください。